140字の俳句(日日の事)

森を歩きながら眼鏡をはずしてみた。

ぼーっとした景色の中に、様々な緑のグラデーションが

現れ、美しい世界を見せてくれた。

 

 一口に 緑と言うも 森の中

 

追記 手術の際、手術着や敷布を緑色にする理由は

   血の色の補色残像が緑色だから。

   そう言えば、お医者さん達は緑色系の衣服をまとっていた。

 

140字の俳句(日日の事)

テッポウユリは夏の花。スッキリした姿は一服の清涼剤。

蕾の時は下を向いているが、花を開くと何故か水平になる。

 

 鉄砲百合 水平撃ちは いけません

 

追記 狩猟シーズンに水平撃ちをされたのでは、山で暮らす

   人たちは怖くてたまらない。多くの県では条例により

   これを禁止しているようだが、国が法律で禁止する

   までには至っていないとされる。

 

140字の俳句(日日の事)

蝉がやかましい。彼らは今今の今を全力で生きている。

生きる事以外は一切眼中になく。

 

 潮時を 蝉は知りけり いま鳴かな

 

追記 まさに「今鳴かな」とうるさい限りだが、しばらく

   すれば嘘のように静かになる。長年、暗い土の中で

   辛抱してきたことを考えれば・・・・

140字の俳句(日日の事)

トンボたちがホバーリングしたり、羽を休めたり。

今のところはシオカラトンボと麦わらトンボ中心だが

日を追って種類も増えてゆくだろう。

 

 羽を置き 目玉休まぬ トンボかな

 

追記 我が国の戦国時代当時はトンボを「勝ち虫」と呼び、

   武将たちに好まれたそうだ。

   兜の飾りに「トンボ」をあしらった高名な武将が

   いたと思う。

140字の俳句(日日の事)

百日紅が沢山の花をつけている。チリチリ縮れた

花びらは強い夏の日差しを受けて、更にこの花らしさが

引き立つ。 これから長期に亘り咲き続ける事だろう。

 

 銀の糸 一筋かかる 百日紅

 

百日紅(サルスベリ)の花に掛かる一本の蜘蛛の糸。

多分、尻から長い糸を噴き出して長距離を移動する、小さな

蜘蛛の一種だと思う。

140字の俳句(日日の事)

農家の仕事は厳しい。殊に夏場は日の出から、日の落ちるまで

休まる暇もなく、老夫婦の作業は続く。

 

 二人して 腰を叩くや 草むしり

 

追記 某有名女優が「趣味は草取り」ですとのたもうた。

   広い芝生の庭の雑草を抜いている時は心が休まるそうだ。

   その昔、さる国の王女様が「パンが無いなら何故ケーキを

   召し上がらないの?」と不思議がった話を思い出した。

140字の俳句(日日の事)

長い頸を立てたまま、じっと動かずに餌を狙う鷺。

宮殿の入り口に立つ衛兵に似て、微動だにしない。

 

 青鷺の たわめし頸を 槍のごと

 

追記 アオサギが鋭い嘴で、大きな鯉を串刺しにする

   動画を見たことが有る。

   アオサギは目つきが怖く、体もでかい。更に鳴き声も

   不気味だが、人間に対する警戒心はとても強いそうだ。