140字の俳句

車輪梅は海辺を好む。

梅に似た小振りな五弁花を五月の浜風に揺らし、

辺りに淡い香りを放っている。

 

ひと気の無い岸壁の隅っこの、コンクリート舗装の割れ目に

しっかり根を下ろし、海風に耐え波しぶきにも耐え、

 

誰にも知られず、誰にも媚びず、一途に可憐な花を咲かせている。

 

 あれやこれ迷う事無く車輪梅