140字の俳句

松の芯が伸びてきた。

 

昨年の暮れに大きく刈込まれた黒松はもう針葉を繁らせ、

ニョキニョキ松の芯を伸ばしている。

芯の先っぽに将来松ボックリになる小さな玉を載せ、

真直ぐに上を目指している。

 

松の芯の伸びは早いが、遠からず自らも葉を繁らせ、

針葉の中に埋もれて行く。

 真直ぐに星を見ている松の芯 

 

追記 季語で云う松の芯は松の雌花の新芽を指す。

   雄花の花粉を受けると、新芽の先に松ボックリの赤ちゃんが

   育ち始める。

   我々の目にする松ボックリの姿となり、種を放つようになる迄には

   二年半掛かる。一年目は固く青い実のままで過ごすそうだが、

   そう言えば青くて固い松ボックリを見たことがある。