黒くなった幾つもの山桃の実がベンチの上に転がっていた。
鮮やかな赤色を経て暗赤色になると、実を落とし始める。
昼夜を問わず盛大に落とし続ける山桃の実は、やがて車座
となって樹の根本を囲むようになる。
鮮やかな赤色が食べ頃で、今年はその時機を逸してしまった。
山桃の夜のしじまに落ち止まず
追記 都会では余り食べる習慣の無い山桃。
理由としては果実の傷みの速さが挙げられる。
高知県の郡部では今でも季節になると、早朝に
山桃売りが来るそうだ。とにかく短時間に売り切る
ことが肝だとか。
俳句では楊梅と書いてヤマモモと読ませることが多い。