2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧
ボールの球を真っ二つに割ったような体形をした 愛すべきテントウムシ。アブラムシやカイガラムシを 捕食してくれる益虫としても知られる。 指に掬って飛び立つ姿を見るのも楽しい。 にわか雨葉裏へくるり天道虫 追記 飛べない天道虫の研究が方々で行われて…
くず餅は殊に中年以上のご婦人に好まれるようだ。 彼女たちは集まると良く喋る。それもゴミ出しの時の カラス対策から、有名人の離婚問題まで幅広い。 焦点の定まらない点はご愛敬、元気が何よりである。 くず餅の黄な粉の口で嫁談義 追記 関東のくず餅と」…
雨後の木漏れ日は四季を通じて幻想的。 何か大いなる者の存在を感じさせるが、夏の日盛りに 樹々の葉からチラチラ漏れる日の影も涼し気で 心に残る。 かんばせに夏の木漏れ日辻地蔵 追記 一茶の句に「御地蔵や花なでしこの真中に」 がある。 路傍のお地蔵さ…
今年は異常に暑い。それでも流石に朝夕の風には若干の 変化が感じられるようになった。 色々迷うことの多い人間に、ゆっくり迷えと秋の足音。 秋が近ずくとなると余計に迷い事が増えるようだ。 あゝすれば否かうすれば夜の秋 追記 「夜の秋」は「秋の夜」で…
放っておけば4~5mの丈にもなる夾竹桃。 工場地帯に多く見られ、煤煙で濁った空気の中、 更にカンカン照りの下でも可憐な花を咲かせてくれる。 この樹に猛毒があるとは! 工場街煤ける空に夾竹桃 追記 刈込んだ枝葉を燃やした煙の中にも毒があり、 植えられ…
つくつく法師が鳴き始めると、そろそろ夏も終りだと思う。 何処かうら寂しい鳴き声はオーシーツクツクとも聞こえ、 惜しいとか、つくづく・・・・とか、ネガティブな言葉を つい連想してしまう。 多分に成功体験の乏しい自分の気質によるものとは思うが。 浪…
ずらり並ぶ夜店は様々な売り物で客を誘う。 屋台ごとの派手な彩色も加はり、ここには独特な 雰囲気が漂っている。 そんな中の一軒の屋台の裏で、二十歳位に見える お母さんが段ボールを敷いて、乳吞児に乳を 含ませていた。 表の店では若い店主が威勢よく、 …
大きな川の中に何十頭もの成牛が肩まで水に漬かり、 涼をとるとは。 私にとっては初めての経験だ。 利根川本流をカヌーで下りはじめて、二日目の昼頃 だった。 川が左に曲がろうとする所の光景である。 利根川の大きく曲がる牛冷やす 追記 柏市の郊外辺りを…
江戸情緒を残す泥鰌鍋は浅草の「駒形どぜう」が有名。 二百年以上の歴史を持つ今も人気がある。 大量の刻み葱を加えて煮込み,七味や山椒で頂く。 素朴さが持ち味だが、背骨の存在が気になる人もいる。 泥鰌鍋バックボーンの舌触り 追記 夏に一度は泥鰌鍋。平…
旧江戸川河口の堤には30数段、御影石造りのかなり 立派な階段がある。 何故ここにと思わないでもないが、日中は 中高年男女の結構なトレーニング場となっている。 お年寄りが昇ったり下ったり、一段おきに上ったり。 日の盛り御影石から蟻の列 追記 日中のジ…
すれ違った人にハッとした経験は少なくい無い。 世の中に美人と言われる人の数は多いが、こればかりは 個人の好みが大きな部分を占めるだけに猶更である。 伝説の口裂け女でさえ「あたし綺麗?」と迫って来る。 女性は美人だと誉めるに限る。 日傘差す細きう…
今日は何故か流木が多い。それも今迄に見た事も無い様な 大木だ。 長さ2km強の短い運河にどう入り込んだのか、 川幅を横断するように流れて来る。 目の前の海は朝霞にモヤっている。やがて大海に出て行く 大木の旅に大きなロマンを覚える。 流木や高き所に夏…
初夏のころに花を咲かせ、一度刈込まれた街路樹の 海紅豆が、暑い日差しの下で再び葉を繁らせ、花を つけ始めた。 花は最初の内は小刀の形をしている。まるで懐剣を 携えているように。 鹿児島県の県木になっている。 南国の凛々しき護り海紅豆 追記 濃い緑…
雨も上がり、樹々の葉は洗われた様に鮮やかな緑を 取り戻している。 時々したたり落ちる滴は陽の光を集めてキラリ。 静まり返っていた小鳥たちも一斉に鳴き始める。 濡れてゐる緑に溢る鳥の声 追記 女性俳人として高名な星野立子の句に 「囀りをこぼさじと抱…
もう銀ヤンマが飛び始めた。 その悠々たる姿は他のトンボ族を圧して格段のオーラ を放っている。 しかし獲物を捕らえる時の動きは素早い。 突然速度を上げて急ターン、急上昇、急下降、 自在に空間を操るトンボの王だ。 銀ヤンマ青田の海を平らかに 追記 水…
河童の大好物、胡瓜は95%が水分だという。 夏場は何処の家庭でも欠かせない食材である。 生食よし、酢の物よし、漬物によし、用途は広い。 因みに鮎は胡瓜の匂いがするので香魚と呼ばれるが、 中国語の鮎はナマズを指すとの事。 里帰り俎音高く胡瓜揉み …
いざ天然の岩魚を釣るとなると大仕事。仕掛け作りは もとより竿の手当て、身支度、宿の手配等々。 これに比べ養殖場へ行けば、これまで釣った事の 無い様な大物がウジャウジャ、好きなだけ手に入る。 もっともその場で焼上がって出される岩魚にすれば・・ 口…
江戸川土手の夏草刈が始まった。 あれ程の猛威を振るった夏草の勢いにも衰えが見え始めた。 既に刈り取られた部分と、これからの部分の差は歴然、 刈り取られた所は地上に茎を僅かに残すだけとなり、 枯草色の平斜面と化している。 大川土手斜めになって草刈…
亭々たる松の大木を見た。雲一つない青空に向かい大手を 振っているような。 針葉の濃い緑と空の碧さは相俟って 清々しい。 何者にも支配されない堂々たる気概をそこに見た気がする。 重力に抗う松の緑かな 追記 例年八月はNHKでも戦争の反省を込めた番組を …
ギラギラ照り付ける太陽の下で、鮮やかに咲き続ける 百日紅(サルスベリ)には敗戦後目覚ましい復興を 遂げる日本人の姿がダブる。 樹皮らしきを纏わず素っ裸に近い身で酷暑に耐え、 むしろ暑さを楽しむかのように花を絶やさない。 少し前迄の日本人は凄かっ…
今年の夏は空地等に咲く鉄砲百合を良く見る。 管理の手の入らない荒れた庭などに一株、二株。 スクッと立ち上がり二輪、三輪、咲かせる姿は 印象的である。 周囲の環境の悪い中で鉄砲百合の清楚が引き立つ。 こちら向く荒れ屋の庭の鉄砲百合 追記 鉄砲百合は…
今の紫陽花は誠に侘しい。 小雨にしっとりと濡れながら駆込み寺の庭に咲く、 溢れる風情は微塵も無く、ただ夏の強い日差しの 下で花を散らす事もせずにじっと耐えている。 あじさゐのすたれて散れず夏旺ん 追記 紫陽花は放っておけば雪を被る季節になっても …
目下蝉の最盛期、これでもか・これでもかと己を主張 し合っている。 耐え難いほどの蒸し暑さも何のそのだ。 子供時代の記憶を辿ると蝉の勢力は一向に衰えておらず、 むしろ増している位に感ずる。 現代社会と蝉族は相性が良い?・・・・考えすぎですか。 幾匹…
日本で一番古い花火大会は両国の川開きとされているが、 今や全国各地でお国自慢の花火大会が開催されている。 暗くなったビルの谷間に遠く打ち上げ花火が音もなく 上がる。確か音は一秒間に340mだったな、中学校時代の 記憶を引っ張り出す。 遠花火音のする…
思い出は中々厄介なものだ。 楽しい事、辛い事、誇れること等色々あるが、 折に触れて思い出すのは殆んどマイナスイメージ である。 わけても仕事の思い出に楽しかった事は少ない。 仕事して何も残らず扇風機 追記 よく使われる言葉に「思い出作り」がある。…
薄く霞の残る川辺の遊歩道で真っ赤なカンナに出会った。 彼女たちは何かを語っている。包み隠さずに思いの丈を。 語り終えると黒く縮れて押し黙るが、仲間の傍からは中々 離れようとしない。 紅カンナはオシャレの限りを尽くして今を生きている。 ねー貴方あ…
網戸を開け、生ごみを捨てて戻ると脛に食らいつく 蚊が一匹。 腹一杯になる迄血を吸わせて動きが鈍く なるのを待ち、ハッシと一撃。 少々の自分の血の海にペシャンコになった蚊。 幸せのきわみに討たれ藪蚊かな 追記 蚊と言えば蚊取線香。原料は除虫菊でした…
ここへ来て背高泡立草の草丈が急速に伸び始めている。 中には人の背丈に近いものも有り、これから秋口にかけて 旺盛な繁殖力を見せてくれる。 日本の風土大好きの帰化植物だが、嫌う向きも多い。 八月の釦押したり泡立草 追記 背高泡立草を栄養豊富な場所で…
夏霞の立ち込めている朝の浜辺。プレジャーボートが 2~3隻、白い船体を浮かべている。 いつもなら大型の貨物船やタンカーが沖に何隻も停泊 しているが、今朝は霞のかなたである。 それでも水平線はそれなりに弧を描き,そこに有った。 夏霞船出促すしゃがれ…
朝日を受けた物の影が少し濃くなったように感じられる。 太陽の通る道が若干南に下がった為か、あれ程の勢いを 誇っていた夏草も少々伸び疲れているようだ。 何となく芭蕉の句の一節「つわものどもがゆめのあと」を 思い出す。 夏草の娑婆のことわりわきまえ…