雨に薄く濁った川に時々ギラリと光が走る。
イナと呼ばれるボラの幼魚が群れている。
護岸用に投げ込まれた一抱えもある石に
こびりついた苔をこそげ採っているのだ。
イナが体を反転させる度に銀色の横腹が鈍い光を放つ。
ここ江戸川の河口はボラの子に恰好の餌場を提供している。
ボラの子の群れて平打つ雨の河
追記 ボラの卵の塩漬けはカラスミとして有名だが,ボラの身を
喜んで食べる人は少ない。釣り場でもボラが釣れるとその
まま放してしまう人が多い。しかし本当は美味しい魚だと
云う。海辺の食堂で聞いた話だが、とに角内臓を破らない
ことが大切。腹からではなく、背中から包丁を入れて開き、
慎重に内臓を取り出すこと。ウロコは完全に取り除き、よく
流水で洗えば刺身で食べてもとても美味しいとの事。
チャンスが有ったらお試し下さい。